『ジャイアント台風』を講談社の文庫で久々に読んだ。ジャイアント馬場さんのプロレス修業時代(主に海外)の試合内容とエピソードを時系列的に延々とコミックにしているのである。
ボクは力道山関が亡くなった後プロレスを見るのをやめた時期があったので豊登の台頭も馬場さんのワールドシリーズ連覇も知らなかった時があるのだけど、ちょうどそのころのプロレス界の様子を梶原一騎先生がコミックの原作として書いたものだ。
ジャイアント馬場さんが実名で登場し海外武者修行を経て超一流のプロレスラーになるまでを描いてはいるが、現実に馬場さんが考え行動したこととコミックの内容に乖離があるのは致し方ない。
梶原先生の原作で同様のテイストの物語に『空手バカ一代』があるが、こちらはこちらで素晴らしいが、『ジャイアント台風』の方は試合結果だとか試合記録はキチンと残っているので、あまり事実を逸脱するようなストーリーの進行は無理がある。
『空手バカ一代』の方は大山倍達さんの戦績は正式記録と言うものがあまり残っていないため、ある程度、梶原先生がデフォルメしても読者にはわからない。
『ジャイアント台風』は事実や馬場選手の実績を踏まえて物語は進行していく。それだけにストーリーの組み立ては難しかったと思う。
本編を読んでいて思い出したのだが馬場さんに関するエピソードや知識はこの作品で学んだことばかりだった。ボクらはあのころ梶原一騎先生を教師としてプロレスや力道山やジャイアント馬場を学習していたのだ。
【『ジャイアント台風』講談社文庫全6巻中第1巻の主な登場人物 】
(実在する人)
馬場正平
力道山
キラーコワルスキー
ジョニーバレンタイン
ブルーノサンマルチノ
アーノルドスコーラン
ブルカリー
フリッツフォンエリック
(架空の人)
ジョージ岡本ミノル
馬場さんの大ファンで親友の日系少年と言う役どころ。
純真な少年ファンとの交流がストーリーに花を持たせたり、強敵との試合の勝利のヒントになったりする。梶原漫画のだいご味で特徴で大切な必要不可欠なキャラクターとなっている。