成宮寛貴という若手の実力派俳優がいた。ここでも、いた、と過去形で話さなければならない。薬害の恐ろしさについて再考してみたい。もう四年以上前に見たテレビドラマの感想を記録していた。以下に記す。




日本テレビのドラマ「花咲舞が黙ってない」第七話では、五反田支店の松木成宮寛貴)が絡む。松木は相馬(上川隆也)を尊敬し、主人公の花咲舞(杏)に心を寄せている。


成宮寛貴演じる松木は、準レギュラー的役柄でなかなかうまい。
未来に希望を抱く青年銀行員役が、はまり役だ。まじめだけど頼りない。仕事に恋愛に情熱的だが、空回りといった青年を演じる。


松木は仕事熱心なあまり、自宅で融資稟議書を作成しようと無断で持ち出した顧客情報ファイルを何者かに奪われてしまう。

   「拾ったファイルを渡すから謝礼が欲しい。」

という支店長宛ての謎の電話。その正体を探るため、キャバクラに、相馬、松木、花咲の3人が乗り込むシークエンス。ここぞとばかり親父モード全開の相馬さんだが、謎を探る姿勢は忘れない。

舞は、犯人のヒントを得る。まじめで頼りない松木はオロオロするばかり。その夜、割烹「花咲」(舞の実家という設定。)で酔って、

   「銀行員人生にバッテンをつけちゃったなあ。」

と愚痴る松木に活を入れる舞。



事件は解決したものの、松木は事件の引責懲罰として岡山支店に転勤の辞令を受ける。

   「10時50分の新幹線で出発するから見送ってやれ。」

上司の相馬が舞に告げる。

   「帰ってきたら今度は二人で食事しましょう。」

松木は舞に告白する。

しかし、舞には思いは伝わらない。松木の乗り込む「のぞみ107号」は14時15分に岡山に到着する。


東京―岡山わずか3時間。
泣くな松木
遠距離恋愛を実らせろ!
若いうちの失敗や苦労は買ってでもやれ!
田舎に左遷されたくらいがなんだ!  






当時ボクは日記にそんな感想を書いていた。ボクがテレビドラマにそれほど感情移入することはないのだが、よほど成宮寛貴の演技に共感したのだろう。

しかし、実生活で成宮寛貴は、「 薬物使用疑惑 」というとんでもない事件の主人公となってしまった。
明るくまじめで頼りない銀行員松木の演技はもう二度と見られない。
かえすがえす残念なことだ。