週刊プロレス 2019年 12/4・11 合併号 [雑誌]

子供の頃、テレビでプロレスを見ていて殴る、蹴る、サバ折り、チョップに飽きてきた頃に初めて見たキーロック、回転エビ固め、足四の字固めが実に新鮮だった。

キーロックの掛け方は、例によって兄貴が熱狂的プロレスファンである二郎ちゃんに教えてもらった。痛かった。長くかけられると手が白くなると言うのは本当だった。

回転エビ固めは吉村道明という選手の十八番だった。これも二郎ちゃんにかけてもらったが、痛くもなんともないのに一瞬にして天地がひっくり返ると言う不思議な技だった。


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足四の字も二郎ちゃん直伝の技だった。かけてもらったところ予想以上に痛かった。「今度はお前がかけてみろ」と彼が言うので教えてもらいながらかけると涼しい顔で「いいか。今から返すからな。」と言って体をごろりと回して二郎ちゃんは腹ばいになった。

かけているボクの足に痛みが走った。痛い痛いとタップすると技を解いて二郎ちゃんは「足四の字固めはひっくり返すとかけた方の足が痛いからな。」と得意顔で説明した。



だから60年経ってもボクの頭には二郎ちゃん=「恐怖の足四の字固め」のイメージが染みついている。
けど、後年二郎ちゃんの兄さんが定年退職してボクの家の隣に越して来て、昔話をしていると、

「二郎のプロレスの知識は全部私が教えたもの。よく試しに技をかけてやったら泣いていた。」

と懐かしがっていた。。