アイルランド・海が香る極上のカキに…白川裕二郎が出会った(#428)
アイルランド・海が香る極上のカキに…白川裕二郎が出会った(#428)

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004年放送の世界ウルルン滞在記に白川裕二郎さんが出演していた。
当時27歳の裕二郎さんがアイルランドのカキ養殖業者の家庭に
ホームステイしてカキの出荷を手伝うという企画だ。

途中レストランに配達する過程でカキの殻剥きを経験する。
ホームステイ先の兄弟はカキの殻剥きの名人だが、
兄の方は毎年アイルランドで行われている
「カキの殻剥き世界大会」の前年チャンピオンだ。


裕二郎さんはこの日初めてカキの殻剥きに取り組んだ。
そしてホームステイ先のお父さんがなんとなんと五日後の
「カキの殻剥き世界大会」に裕二郎さんを日本代表として推薦した。

フランスやドイツ、スウェーデンなど各国の代表選手は国内予選を
勝ち抜いて来た実力者揃いだが日本は元々大会にエントリーしていないのでたまたま
その場に居合わせた裕二郎さんが自動的に日本代表となった。この辺テレビ番組は
テキトーだ。

だが、そういううさん臭さや強引なやらせもどきを裕二郎さんが吹っ飛ばしてしまう。
裕二郎は真剣だ。まじめでとことんやる。

「出る以上は上位に入りたい。」

本気で言う。
アイルランドのカキは日本のそれとは種類が違う。現にシンガポール代表は種類が違う事で
最下位になってしまった。

欧米人は手が大きく指の力も強くそれだけでアドバンテージになる。
裕二郎は相当な努力をしたと思う。テレビには映らないが。

そして芸能人が企画で出るだけだから最下位でもいいというような甘えは彼にはない。
まじめでどんな時も一所懸命。手を抜かない。努力を忘れない。

下手をすると企画倒れのやらせ番組になるところを裕二郎の努力と気力で成功したと言っていいだろう。そのうえ明るくよく働くし物おじしないからホームステイ先の両親兄弟にも好かれていた。

両親と言ってもおじいさんやおばあさん、息子二人も裕二郎より十歳くらい年上。可愛くて仕方なかったのだろう。裕二郎が日本へ帰る日、別れのラストシークエンスでは泣いていた。涙もろい裕二郎、泣き顔も涙をふく癖も今と一緒だった。

世界ウルルン滞在記というタイトル通りの企画大成功である。
途中から興奮して裕二郎と呼び捨てにしていた。
肝心の大会順位だが14位/18だった。でもこれはすごいことだ。

「彼はアイルランドで初めてカキの殻剥きを経験したんだろう?」
「なんという上達ぶりだ!」

周りの人たちは驚いていた。