子どもの命を救え 家庭・学校教育に求めるもの [ 石光 ]
神戸の六歳児殺害事件及び五十七歳の母親暴行虐待監禁事件の続報が次々と明らかになってゆく。初めは罪のない幼児や年配者を虐待して暴行する愚かな三十代の兄弟姉妹と腹立たしく、被害者が痛ましくてかわいそうでまともにニュースは聞いていられなかった。テレビやラジオの音量を極端に小さく絞ってかろうじてわかるくらいの音で聞いていた。
しかし、いろいろと続報やネットニュース、ワイドショーを見聞きするにつれ、親子の関係、しつけや教育、世間や社会とのかかわりの大切さを実感するようになってきた。
被害者加害者家族の母親の若い時からの生活態度、子どもに対する言動、社会との関係があからさまになるにつけ、つくづく子供にとって親は大事な存在だということを思い知らされた。
五十七歳で車いすで自宅から逃げ出した母親、体や顔に傷を負ったこの人の若い時からの無節操で不道徳的な生き方、こどもに日常的に与え続けてきた恐怖感と暴力行為、無責任な世間の噂だと見過ごすことはできない。因果は巡る。自分が子供にしてきたことは必ず子供が成長すれば自分に帰って来る。子供を虐待していたら、老いては子供から虐待を受ける。
ニュースの続報を聞くにつけとても他人事ではないと思った。僕らも同じ目にあってきたからだ。
それにしてもかわいそうなのは母親からも肉親からも虐待を受け尊い命を失った幼な子だ。言葉で表せないくらい悲しい。