1968~1973年、つげさんが31歳から36歳に至るまで最も多作で問題作、代表作などを量産した時代である。この巻に限るなら、ボク個人としては、温泉、宿、旅行、渓谷、釣り、に限ったつげさん得意の紀行ものがとても面白いと思う。
長八の宿
二岐渓谷
オンドル小屋
ほんやら洞のべんさん
ゲンセンカン主人
モッキリ屋の少女
やなぎ屋主人
懐かしいひと
リアリズムの宿
などである。
故人で親友の高知の漫画家は『ゲンセンカン主人』が一番好きだった。
どうゆうところが好きなのか、今となっては確かめようもない。
で、この巻に有名な『ねじ式』が収められている。最初に『ガロ』に発表されてから、
何回か描き替えられているということとも初めて知った。『メメクラゲ』が印刷過程の
誤植の産物であったということも然りである。
余談ながら、つげ義春さんの「奇跡の一年」あるいは「奇跡の二年」とも呼ばれる時期は1967年、1968年のことである。