ロビーの神様もいればロビーの困ったちゃんもいる。その人は四十歳代の男性で一般職だ。役職がついていないという意味だ。
病院は女性の職員比率の高い職場だが、病院の事務職や受付、ロビーも女性が多い。私の職場で言うと女性30人に対して男性3人の割合である。この四月に私が定時職員として入職したのでうれしいらしい。部下ができたと思っているらしい。まとわりつく。あれこれと不要な情報を提供してくれる。必要なことは言わない。無駄口をたたく。自分の生れや家族構成をとうとうと話す。勤務時間中にだ。彼は受付をしているが余計な動作や無駄話をするので彼の窓口だけ停滞する。
最近では患者さんも感づいて彼の前に来る人は少ない。それでも新規の患者さんが空いている窓口を選んで来る。
ちょっとしたことで待たせるので患者さんがイライラしているのが分かる。私はロビーマンなので待たせている患者さんの元へ行って謝る。
他の受付の人も自分の手が空くと彼のフォローに回る。それで何とか持っている感がある。
と、そういうことが見えてきた。三か月経ったので、そろそろ困ったちゃんに気付かせてあげようと思う。ただ、私は定時社員、彼は正社員。私は老人、彼は働き盛り。
彼が傷つかないよう、ショックを受けないよううまくやりたい。余計なお世話と思うが彼がこれ以上困ったちゃんの烙印を押されないように。
それが病院に対する恩返しと思う。国から助成金が出るとは言え、こんな高齢者の私を雇用してくれたのだ。努力しても罰は当たるまい。