つげ義春

つげ義春大全第19巻「無能の人」


つげ義春大全第19巻にはいよいよ「無能の人」が登場する。つげさん47歳の時の作品で

ある。(1985年)

これら一連の自身を投影させたかのように見せた完全なるフィクション。

それらを目にした1水木しげる御大でさえ以下のように述べたと言う。

 

「つげさんは苦労されているのですね。

石を売ってまで( 生活費を稼ごうとして)ですか?」

 

( 編集者高野慎三氏の証言より )


つげ義春『空白の2年』


つげ義春さんの奇跡の一年半は1967年~1968年、30歳~31歳までを言うらしい。

 

僕が思うに、もう一つ、つげさんの創作活動人生において注目すべき年がある。

 

1961年7月つげさん24歳の年から1963年4月26歳までである。この間は『空白の2年』

 

と言っていい。この間、休筆状態であった。1961年7月『忍者くん』を発表して1963年

 

4月『野盗の砦』で再デビューするまで作品を描いていない。1961年7月『忍者くん』は

 

大塚で同棲していた金のかかる女性との生活を守るため、金を稼ぐ目的で必死で描いた

 

珍妙な作品(編集者高野慎三さんが聞いたと言う本人談)らしい。1963年4月『野盗の砦』

 

は東京トップ社の熱血編集者、熊 藤男さんに「時代は変わった。古い絵ではだめだ。」

 

と発破をかけられて描いたものだという。

 

1961年7月の『忍者くん』は手塚治虫先生と初期の白土三平さんのテイストだし、1963

 

年4月の『野盗の砦』はもうカムイ伝の始まったころの白土三平タッチをベースにしな 

 

がら、台頭してきた劇画工房さいとう・たかをの影響が感じられる。まるで『空白の2

 

年』で、つげ義春が生まれ変わったかのような『変化』を感じ取ってしまう。



 

 

漫画の神様手塚治虫とつげ義春19歳のエチュード

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1953年手塚治虫さんが描いた「罪と罰」です。文豪ドストエフスキーの原作を漫画の神様がコミカライズしました。
貧乏学生のラスコルニコフは金貸しの老婆を殺害して金員を強奪し自分のアパートに逃げ帰って来たシークエンス。

一方、下の画像は1956年につげ義春さんが「奇人」と題して貸本マンガに発表した作品です。この時つげ義春さん19歳


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昭和32~34年貸本マンガとつげ義春「海洋冒険推理もの」





つげ義春大全の④は船乗り漫画の特集になっている。

「ゆうれい船長」昭和32年 漫画王 つげさん二十歳の頃
「船虫小僧の冒険」昭和33年 ぼくらに半年間連載 つげさん二十一歳の頃の作品。

少年時代の夢が船乗りだったというつげさん。
二回も密航を企て未遂に終わったという彼ならではの作品。

ほかにも「恐怖の灯台」昭和34年 若木書房の貸本マンガ という長編もある。



赤木圭一郎の映画「無敵が俺を呼んでいる」が封切りされたのが昭和35年。
日活の代表的海洋冒険活劇である。
その公開の何年も前からつげさんは同様のストーリーの作品を発表していた。

当時漫画は子供の読むものとされ映画に比べ社会的評価は低かったと思う。

つげさんが少年漫画誌や貸本マンガで発表したストーリーにヒントを得た映画関係者や
脚本家がいたとしても不思議ではない。
表現の世界において著作権が声高に厳しく叫ばれるのはずいぶん後のことである。

霧笛が俺を呼んでいる [DVD]
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2011-12-02


海辺の叙景 つげ義春



この海水浴場を舞台にした小編もすごく絵がきれいで詩的でいい。

かつて盟友だった永島慎二がCOMで台頭し、赤塚不二夫が売れっ子になっていくのを

横目で見ながらつげさんは、しっとりとした名作品を次々と発表していたらしい。

凄く充実していたのではないだろうか?

つげ義春大全⑮噂の武士

つげ義春先生得意の何作かある武蔵物のオムニバスの一編

登場するいかつい武士をオーディエンスも狂言回しの甲府勤番の平凡な武士も
読者までもが本物の宮本武蔵と信じて疑わない

しかし、本物の武蔵ではなかったというオチ

武蔵を登場させず剣豪武蔵の凄みを披露し偽武蔵のメランコリ―を描いた短編。


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