ゴルゴ13

船戸与一脚本ゴルゴ13「アカプルコ散華の夜」二つの違和感

ゴルゴ13PocketEditionラスト・ループの三作目に

「アカプルコ散華の夜(ファイアー・ワーク)」という短編が

収録されている。  

 

脚本協力が外浦悟朗となっている。

日本のハードボイルドのエース船戸与一が

ゴルゴを書く時のアルバイトで使う筆名と聞いている。

予想が当たった。

最近はゴルゴを読んだ後に誰の脚本か見るのを

楽しみにしている。

 

船戸与一は、このアカプルコ散華の夜(ファイアー・ワーク)

という小編のプロットだけ書き飛ばしてゴリラ師匠(さいとう・たかを)に

渡したのだろう。

 

絵の奇麗さに反して奇異な感じのシークエンスが二つある。

 

・夏のアカプルコでトレンチコートを着たゴルゴが食事をしている。

・サメやフカのいる大時化の夜の海から潜水具を身に着けたメアリーが

 ゴルゴのクルーザーに突然現れる。

 

この頃はアシは20人いたらしいが、ゴルゴとヒロインと狙撃の対象者は

ゴリラ師匠(さいとう・たかを)が必ずペン入れしていたらしい。

 

船戸与一先生はプロットだけ書き飛ばしてゴリラ師匠(さいとう・たかを)に

投げたものだから困ったアシが適当に描いたための弊害だろうか?

想像したってわかるものではない。

【ゴルゴ13は終わった】ゴルゴ13シリーズは終息してしまうのか?

ゴルゴ13は終わった】という突拍子もないタイトルについて
申し訳ありませんと謝罪するしかありません。
 
しかし、ゴリラ師匠(さいとう・たかを先生)亡き後の画力の低下、構成の破綻、キャラクターのだらしない表情の描写を見るにつけ、もう二度と小学館連載中のゴルゴ13は購読しないと心に決めました。これは私の個人的思いです。
 
ここに初期中期の作品を揃えました。ゴルゴ13が最も面白かった頃の作品ばかりです。ご堪能いただければ幸いです。
 
 
私が高校生の頃、本シリーズはスタートしましたが、何かのインタビューの中でゴリラ師匠が、
 
「ゴルゴの原稿一枚一万円や。30ページ描いて30万。俺んとこは20人くらいで描いてるから一人一万ちょっと。こんなんでやっていけるもんか。
 
という意味のことをおっしゃっていたように思います。懐かしいです。
特に初期のゴルゴ13シリーズは、さいとう・たかをさんが健筆を振るわれていた名作が多く、ゴルゴ13が最も躍動していた頃の作品群です。
脚本家も船戸与一、小池一夫、K・元美津など日本のハードボイルドを代表するような作家、大家を揃えていました。
今のさいとうプロの方々を貶めるつもりはありませんが、最近の作品の体たらく、もうゴルゴは終息させていただいた方が、この名作の名を汚さないようにするためにもよろしいかと存じます。編集や出版社にも多大な責任があると考えます。
 
 
私はただの読者です。ゴルゴ13シリーズの愛読者です。ただ、ただ、ゴリラ師匠(さいとう・たかを先生)の名を惜しむ者です。お気になさる方がいたら痴れ者の戯言とお笑いください。
 
 
 
 
 
 
最近は、ゴリラ師匠の【台風五郎】シリーズを蒐集しています。版権の加減か、どうか分かりませんが、初期の貸本版の高騰には閉口しています。数がそろい次第、そちらも皆様のオークションに出させていただきます。最低競売価額はできるだけ低いところからスタートさせたいと考えております。ご期待ください。
 

ゴルゴ13コンビニ廉価本のうちリイド社版と小学館版の違いについて 

親友の漫画家が逝ってずいぶん時が経つ。漫画、劇画業界や出版業界の裏話を教えてもらうのを楽しみにしていたものだ。もうそういう時間は戻らないと思うと寂しい。

 

あいつがいたら教えてもらえたのにと思うような話題がいくつかある。今回はゴルゴのコンビニ廉価本だ。もともと、雑誌で連載していた漫画や劇画をひとまとめの単行本にして出版するという方法は昔からあったと思うが、コンビニに簡易棚を据え付けてそこで出版社の装丁よりは簡素化して廉価本を販売するシステムはさいとうプロ(リイド社)が作り出したものだとなんかの本で読んだ気がする。

 

ゴルゴ13 SPECIAL CHOICE (vol.3) (SPコミックス コンパクト)

ゴルゴ13」についてはリイド社のものと小学館のものの二種類があるが、リイド社の方が面白い。同じ作品が載っているのにリイド社の方が面白いと感じるのは本の制作にかかわる人たちがさいとうたかをさんの近くにいた人達だからだろう。

 

 

今回もコンビニで四冊一度に買ったが「LEGENDOFゴルゴ13ブラック」と「LEGENDOFゴルゴ13ホワイト」(ともにリイド社版)は面白かったが、「ゴルゴ13神伝説」と「ゴルゴ13秘密警察」(ともに小学館版)はそうでもなかった。「LEGENDOFゴルゴ13ブラック」に掲載の「駅馬車の通った町」と「LEGENDOFゴルゴ13ホワイト」に掲載の「日本人・東研作」は出色だった。脚本家が小池一雄で72年6月と69年7月の作品だった。高校生の時、感動しながら読んだ記憶がある。骨太なAmericannovelのhard-boiledみたいだった。今、読み返してもさすが小池一雄と思う。

 

小学館版の「ゴルゴ13神伝説」に収録の「白い巨人」は絵がきれいで73年の作品だから、さいとうたかをさんの手によるものだと思った。それ以外の小学館版の三作品は2000年以降に描かれたらしく、例の絵のへたくそなCAのペンによるものと思われる。

登場人物の口元がだらしなくすべて同じタッチで描かれている。主人公の顔ですらこのアシが描いているらしくさいとうさんに比べるとひどく下手だ。何しろゴルゴが間抜けずらに見える。

なるべくこのアシの描いたゴルゴ作品は買わないようにしようと思った。

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