さいとう・たかを

ゴルゴ13砂漠の決闘2編「スフィンクスの微笑」、「激突!AK-100 VS M16」  

ゴルゴ13シリーズの再出版については小学館のものとリイド社(さいとうプロ)のものの二種類があります。小学館の方については作品の脚本家についての記載がなく非常に残念です。

次の二編が特に秀逸だったのですが脚本家が不明です。

①「スフィンクスの微笑」  
エジプト政府の依頼で盗掘団(反政府軍)の首領の暗殺に向かったゴルゴだったが盗掘団の手先のガイドの策略により重傷を負い、死の砂漠に置き去りにされる。
瀕死の状態で必死に生きる努力をするゴルゴ。昼間50度の熱射に対しラクダの骨でテントを作り日よけとする。夜は氷点下の寒さに砂を掘り身を温める。砂嵐に耐え、サソリを食べ、フェネック(体長30センチくらいの砂漠に生息する狐)の血をすすり、遂に盗掘団の駐留する村にたどり着く。

ゴルゴをだまし討ちにしたガイドに「コーランの教えは目には目を歯には歯を」だったなと言い復讐を遂げ、任務を完了させ去っていく。


②「激突!AK-100 VS M16」 モスクワのロシア陸軍マカロフ大佐はロシア製の軍用銃AK-100こそが世界最高の突撃銃との持論を実証するためにゴルゴ13を死の海アラル海(海水が干上がり砂漠化している。)におびき出す。 ゴルゴを殺害し彼の愛用するアメリカ製のアーマライトM16より、ロシア製のAK-100の方が優れていることを証明するという目論見に取りつかれているためだった。 しかしこの対決はゴルゴにとっては不意打ちを受けたようなものである。ロシア陸軍は戦車や狙撃部隊を繰り出して攻撃を仕掛ける。その様子はNATOもアメリカ軍も察知し、そのうえロシア製の軍用銃AK-100の生みの親カラジニフまでが現場に現れる。 各々の思惑の中ゴルゴはロシア軍をせん滅する。NATOもアメリカ軍側は傍観するだけであるが、AK-100の生みの親カラジニフはAKの敗北が信じられず、ゴルゴの愛用するアメリカ製のアーマライトM16カスタムの秘密を話せとゴルゴに銃を向ける。 ゴルゴはアーマライトM16カスタムの秘密を教えるがカラジニフは息絶えていた。



☆             ☆
私には脚本家が誰か分からないのですが調べてみてわかったら、またブログに書いてみようと思います。


ゴルゴ13はコンビニ廉価本で読むに限る!


最近、コンビニで発売になったゴルゴ 13の「伝説を堪能せよ!!」シリーズが面白い。

小池一雄や船戸与一など日本を代表するハード・ボイルド作家が本名で、時には匿名で脚本を書いている。ゴルゴ 13初期の名作4作品を収録したのが「ゴルゴ 13の伝説を堪能せよ!!」シリーズホワイト版である。


数多いるゴルゴ 13の脚本家の中で最も有名なのが船戸与一であるが、変名でゴルゴ 13の脚本を何作か残している。すべて名作でなぜ氏が得意のハード・ボイルド・ノベルのプロットに使用しなかったのだろうと訝しく思う。

次に有名なのが「子連れ狼」の原作他で知られる小池一雄だ。
今回シリーズホワイト版巻頭の「日本人・東 研作」は1972年、昭和47年小池一雄の手によるものである。

私は当時高校生であったがゴルゴ13、デューク東郷の正体がいよいよ明らかにされると思って熱中して読んだ覚えがある。が、東研作は既に死亡していてゴルゴ13とは別人であったという結末であった。  
あれから52年が過ぎて私は古希を超えてしまったがゴルゴ13、デューク東郷の正体は、未だに明らかになってはいない。


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