TVで相撲中継を見ていたら十両で伯桜鵬戦を終えた生田目関が花道を戻るところが映っていた。
うしろに付け人と延原君が続いていた。
付け人は他所の部屋から応援に来てもらっているベテランの取的さん。
そして特別にセコンド風に延原君が続いていた。

延原君と言えば鳥取城北で伯桜鵬=落合君の一年先輩で、
この二人はたびたび団体戦でチームを組んで全国優勝などに貢献している。

その日は、鳥取城北高校の先輩延原君と、後輩落合君の関係じゃなくて、敵味方。
先輩延原君は兄弟子生田目関のセコンド役。
後輩落合君は伯桜鵬関として兄弟子の対戦相手。

勝負は伯桜鵬関に凱歌が上がったが、
チーム二子山部屋は堂々と花道を引き揚げてきた。

「次やるときは俺が相手だ!」
「兄弟子の借りは俺が返すぞ!」


延原君がそう思ったかどうかは分からない。
だけどそう思っても不思議ではない。

漢 生田目と世間は言う。
それなら、
男 延原の晴れ姿もこの目で見たい。
この日のTVの画面は、そんなチーム二子山部屋を頼もしく思わせた。